タスマニアのバッパーでの悪夢。ワーホリ中の出来事。
仕事を紹介してもらえる話は、本当にありがたい話ではあったが、2人で働ける場所を探していたため申し訳ないが断る返事をした。
そしてその後、1分くらいの変な沈黙があったのを覚えている。
今ならこの人たちが働いているのがどういう所かとか、何故紹介してくれると言ったのか?とか分かるが、当時は本当にタスマニアのことも、仕事の仕組みのことも全くわからなかったため、何か断ったことに少し罪悪感もあった。
その後その女の人は
「わかりました。」とだけ言って、それ以降喋らなくなってしまった。
沈黙が続くのは嫌だったので、私は再び金髪の男性に話しかけてみた。
「仕事は今はどんな仕事をしているんですか?」
と質問すると、その男性は
•ニンジン畑での仕事で、雑草を狩ったり、収穫の手伝いをしている。
•仕事は意外と楽なので、暇な時間は筋トレとかして過ごしている。
•カナダで英語の勉強をしていたから、ボスと直接電話で連絡して仕事をもらっている。
というようなことを話してくれた。
返事はそれなりに返してくれるのだが、ただ何かがおかしかった。
もしかしたらウザがられてたのかもしれないが、あの断った返事以降、本当にシーンと沈黙したまま会話が全くなくなってしまった。
流石に自分たちも初対面だったので、これ以上お邪魔するのはやめようと思い、
「いろいろ教えていただいてありがとうございました。これからよろしくお願いします。」
と伝えて席を離れることにした。
そして自分たちがいなくなった途端に、日本人のグレープの人たちは話を始めたのがわかった。
凄く大声で何か話している。
何故か知らないが、凄く嫌な気分になったのを覚えている。
完全に嫌がられてたのかもしれない。
何か変なことを言ったかな?とか、何故こんな風になったのか?とかいろんなことを考え続けた。
こんなことをクヨクヨ考えるような性格ではないのだが、さすがに明らさますぎてショックが大きかった。
そして後でわかったことだが、あの日本人グループの人たちは、この滞在しているバッパーを牛耳ってる?ような人たちで、自分たちはその人たちから受け入れてもらえなかったようだった。
それ以降彼らとは話をすることはなかったのだが、自分たちが通ると何か言っているのが聞こえてきた。最初は気のせいかと思っていたが、明らかに自分たちの話をしているのが分かった。
彼らは常にリビングの中心に広いスペースを確保して騒いでいて、キッチンに行くにも部屋に行くにも、彼らの側を通らないといけないのが一番苦痛だった。
タスマニアに来てまでこんな思いをするとは思っていなかったから、ショックは凄く大きかった。
ここは海外なのに、バッパーの中では日本のような感覚で生活していた。
完全に人間不信に陥ってしまった。
居場所がなかったため部屋に妻と戻ると、部屋は真っ暗で、誰か知らないが二段ベッドの一階で、暗闇の中背中を丸めてスマホをいじっているひとが1人いた。
電気をつける場所も分からず、自分たちが置いた荷物の場所もわからない。
スマホの懐中電灯を使って自分たちのベッドを探した。
何かこんなことをしていると、「あー俺何やってるんだ…」っていう凄く虚しい気持ちになってきた。
ワーホリって大変なのはわかっていたけど、何かここまで人間関係で嫌な思いをするとは思ってもいなかった。
部屋は暗かったので、リビングから少し離れたところにあるベンチに妻と座って、ぼーっと外を眺めた。
妻も今回のことはかなりショックだったみたいで、涙を流しながら星空を眺めていた。
明日はどうしようか…。
やることは1つしかなかった。
2人で「明日は良い日にしよう」とだけ話して、明日への決意を固めたのだった。
次に続く
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※番外編